作品制作プロセス1 "もつれた黒"
2016-03-04
アートイベント作品 テーマカラー - 黒 -
カラーパーティーウエスト主催のアートイベント用に2014年制作した作品を顧みます。
実作品展示サイズ2300×900mmほどあります。現在は立体物「縄」はありません。
色を考える
カラーパーティーというアートイベントは平面・立体を問わず、あらゆるジャンルの作家がひとつの”色”に集う展覧会です。
毎年テーマカラーである主色が決められ感じるものを表現しますが、意外とコンセプトを自分の中で固めて行くのは難しいです。ある特定の色は色相・彩度・明度で色彩学上確立(ポジショニング?)されますが、色を提示した人 色を見た人の心の状態でその感じ方は無限に変わります。今回はそのあたりを直観的に伝えたかったのが自分の第2テーマでした。
「ストレートに感じてもらう、それ以外には無い」
本来、作品は強制するものはなく自由なんですけれども、、、。
色にタグ付け
色を自分の中で確立するためにタグ付けします。
スケッチ1「黒」
・闇
・困難
・塊
・恐怖
・暗 などのマイナス負のイメージ
ポジネガでいうならネガで深い闇黒。黒の持つ清楚な美しいイメージは排除しました。
その中でも「塊」と「困難」に絞り、太くちぎれそうにないロープをからめ決してほどけない固い結び目をイメーシしました。紙に下手なスケッチですが具現化するにつれて、その方向性が明確になっていき不必要な要素を排除していきます。
そしてシューティングへ
仮撮影
今回はシンプルに荒縄とバック素材だけです。
照明も正面からのリングライト1灯だけでバックと縄の距離にだけ注意しf値を決めています。
最終プリントサイズは900mm×900mm等倍を考えていましたので、綱の塊は50cm程度で作りました。
上の数点は本撮影前のバックと感じをつかむために仮撮影で、その後ロープを黒く染めての本撮影になります。しかしここで展示方法を3枚組での写真に変更しました。塊よりからめれた感が表現できると考えました。
静かにゆっ纏わりつき絡んでくる感じに
本撮影
分割撮影後のパノラマ合成カットの切り出し
展示サイズを考慮し最終原寸トリミングカット
撮影で使用した黒いロープをにさらに組写真へ絡みつかせました。
展示を想定したレイアウト
コンセプトボード
もつれた黒
気付かない内にイヤホンのコードが絡まったり、糸がもつれたり、日常よくあるよね?
思いの外に人間社会だってもつれまくって、争いごとにになる。
そんな社会のわけの分からない●●とやらにはうんざりする。
もつれて固い結び目になる前にふり祓えばどうだ。
- 2014 COLOR PARTY WEST "BLACK"- 図録より