Pigment Ink Print
2014-01-25
インクジェット プリントにテクスチャーを加える一つの方法
市販のペーパーにはグロス・マットや和紙、フィルムなどあってまたベース基材も色々あります。それらのペーパーを使っての変わったデジタルプリント(インクジェット)の表面処理を探ってみました。
経年変化補償できる方法ではありません。何か参考になればと思います。
表面にコートする考え
フレアリング作品の最終プリントは超光沢紙を考えていました。発色や精細な描写にはなんら問題は無いのですが、テストプリントの際物足りなさを感じました。そこで反対にテクスチャーのあるマット和紙を使用し、透明感を持つニスをオーバーコートする方法にしました。
現在のインクジェット用和紙ペーパーはインク吸収率も高く、適切なセットアップでは滲むような事はありません。
これはテストピース用に使用したデータですが、表現性はかなり良かったです
ドーサ引きした和紙に染料系インクジェットプリントした作品(複写)で20年ほど前に制作したもので、ベースの和紙がかなり黄色に変化してますが、適度なインクにじみも残りまた紙の質感も有ります。インク滲みがあるために高濃度域を飽和しないようにデータを調整する必要はあります。
(表面処理はしていません)
コートの方法
手順は簡単でローラーを使用し希望するコート材を塗布するだけです。
1.インクジェット用和紙にプリント
2.希望のコート材をローラーもしくは刷毛で塗布
3.よく乾燥させてから数回塗布する(今回はグロスとマットをつかいました)
※ 注意点は乾燥後は膜面に付いたダストは除去できませんので、その都度取るようにします。
阿波 竹和紙
(Awagami Factory)
Format A3+
Coating material
スーパーグロス/マットバーニッシュ
(Liquitex)
Printer
PX-5500(EPSON)
照明光で表情を変えますが、ちょっ分かりにくいですね、、、
紙ベースにコートしてみる
二つ目の方法はインクを噴き付ける(プリント)前に支持体にコートしてみます。
今回コートしてみたのは発泡インクで、乾燥の後熱を加えるとマット調になり膨らみます。ベースは市販光沢紙です。しかし、まだまだ問題点も多く今後もテストが必要です。
現時点での手順
最初に起伏を付けたいアウトラインを線もしくは面でプリントして置きます。かなり薄い色で無いと線・面が残ります。(線であれば数ピクセル程度の薄っすらと見える程度)
また、発泡インクを下の手順1~4で塗布した後に再度同じ位置に原画をプリントするので、ペーパーのスタート位置はマーキングが必要です。
1.ペーパー全体にローラーでムラが無いように均一にインクを塗る
2.起伏をつけたい部分に筆でインクを塗る
この場合は被写体のアウトライン線を複数回に分けて塗っています
3.乾燥と2.の筆塗りを繰り返します(2~4回程度)最後にもう一度全体にローラーで塗ります
4.十分に乾燥しこれを原紙します(写真では原紙と原画プリントしたものを乾燥してます)
1.ムラ無く全体にローラーで塗布する(この時点で起伏部分のアウトラインはプリントされています)
2.写真がありませんがアウトラインは筆で2~4回塗りたす筆塗りを終え最後のローラーを塗布後ですが、これは少し塗り過ぎです。テーピングの段差で塗ったインク量が分かります
4.原画と原紙をよく乾燥 加熱前ですがこの後、タオルを挟んでスチームアイロンで加熱します
シャドー部分はかなり早い段階で飽和してしまいますし、加熱時に色相も変わってしまいます。まだまだですが何とかしてみたい。
20140125