海岸線を陸に沿って、一日中重い器材を背負って歩き回り思った。視線を水平から足元に移してみるとそこにもう一つの風景を発見した。それは波打ち際ギリギリいっぱいの所だ。昼間見た小高い場所から見た海岸線そっくりだった。
風景、そのカタチは相似している。どちらかの一方のスケールを変えることによって、数メートル四方の小さい世界でもまったく同じ自然を内包している。
たとえ同じ風景であっても、注視したその瞬間に姿を変える。それが風景の本当の本性なんだろう。
こころに映ったものは、その場に立った人すべてに一様に見えるもでもなく自分の錯覚にすぎないけれど。
でもそこに、何かを感じる。